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2006年4月 企画
冒険活劇イデ・ジョージの企画が立ち上がったのは2006年4月某日、
渋谷某所でP'z役の本田くんと後輩A役の岩崎さんと打ち合わせをしていた時だった。
当時は別のコメディを撮影する予定で、その打ち合わせの為に集まっていたのだ。
話の途中たまたま彼らに冒険映画の構想を漏らしたところ思いのほか好評で、
次回作は冒険映画でいこう、と決定した。
そのまま本来のコメディをそっちのけで冒険映画の構想で盛り上がった。

当初のプロットは現在のシナリオとはまるで違うものだった。
せっかくなので以下で簡単に紹介しようと思う。
少しの間お付き合いいただきたい。


主人公井手ジョージは不真面目な大学生。
ある日BOOK OFFで漫画を購入したジョージは中に古地図が挟まっているのを発見する。
平凡な毎日に退屈していたジョージはそれを見て少年時代の冒険心が膨らみ、
大学の仲間数人に宝探しを提案する。
突拍子のない提案を当然のようにあしらう彼らであったが、ヒロインが
乗り気になったのをきっかけに「夏休みだから」と重い腰を上げる。

そしてある晴れた日に出発。
嫌々付き合わされた連中も大自然の中を進んでいくうちに段々楽しくなってくる。
そんな彼らの前に謎の男達が立ちふさがる(後のミスターP)。
インディ・ジョーンズルックのジョージに対し、全身黒いインディ風の男。
彼らもまた同じ地図を元に宝探しをしている変態集団であった。

戦いの後、どちらが先に宝を手に入れるか競うことになる。
とうとう宝の眠る場所に近づいたジョージ一行だが、突如現れた謎の原住民に
ヒロインをさらわれてしまう。

黒ずくめの男達と協力して原住民を撃退、ヒロインの救出にも成功し
宝を手に入れた一行。

宝の取り分を揉めながら山を降りていく一行の後姿がラストシーン(※宝を落としてしまうが
誰も気づかない)。
主人公の井手ジョージ(当然インディ・ジョーンズを捩ったものである)を除き
登場人物の名前も、人数も決まっていない大変大雑把なものであったが、
これが「冒険活劇イデ・ジョージ」の原型となる。

後に天候とスケジュールの都合で前述のコメディはお蔵入りとなり、
「冒険活劇イデ・ジョージ」がP'z Projectのデビュー作となった。

(by監督)


2006年6月 オーディション
6月に入り冒険映画の企画は具体性を帯びてきた。
P'z Project幻の第一作が役者のスケジュールの問題で終わってしまった。
映画作りの素人である我々はこの事件によってスケジュール管理の難しさを
思い知らされた。
元々主役の都合で3日で撮影しなければならないという時間制限が非常にタイトな作品であったが、
冒険映画制作は幼い頃からの憧れでもあったし、未完にするわけにはいかない。
現実的な撮影スケジュールの問題と、
主人公の存在感を強化する為に主人公はジョージ一人に変更した。

日記1に書いた黒い服のライバルは、主人公と同じく熱血漢で冒険マニアであったが、
これも対照的でクールな悪役に変更することにした。
ただ私自身が愛嬌のある名前が好みなのでミスターP(仮)と名づけた。
間の抜けた響きなら何でも良かったので、PはQでも構わなかった。
その後身の回りであまりにミスターP(仮)が定着してしまい、
私自身も気に入ってきたのでミスターPは正式名称となった。

6月上旬の時点では登場人物はジョージの他にはミスターP、中ボス(仮)、広瀬ヒロミ、ルーカス博士しか
決まっていなかった。
冒険の目的も決まらず悩んでいた。

この頃のシナリオには「ロマンシングストーン」のオマージュでヒロインの肩にウナギが落ちてくるのをジョージが
ナタで叩き切る、「キングソロモンの秘宝(2004年版)」のラストオマージュで冒頭の洞窟で地面から槍が
生えてくる、「アッシャ〜洞窟の女王〜(カス映画版)」のオマージュで明らかに発砲スチロール製の岩が
飛んでくる、などの設定も存在していた。
また、ミスターPにさらわれたヒロインをテントで救出する際にP'zから剥ぎ取った衣装で変装する描写もあったが
あれは「インディ」シリーズが元ネタだ。
いずれも幻のシーンとなってしまったが、全てやってみたいことではあった。

※ちなみに、わかりにくいが小田名(こためい)村は、キングソロモンのアラン・クォーターメインから命名したものである。
第一稿では何でも冒険に結び付けてしまうジョージが「クォーターメイン村?」と聞き返す描写が存在していた。


話は逸れてしまったが、今回の作品は未完にするわけにはいかないので
早めに役者さんのスケジュールを抑える為にラストシーンのシナリオが完成していない6月中旬に募集をかけた。
怠け者の自分の尻を叩く意味もあったとは思うが、未完成のシナリオでも読んで
感想やアドバイスをくれた役者の皆さんには本当に感謝している。

数日後、後にミスターP役となる緒沢さんとの面接の中でラストシーンは神社にしたらどうだろうか、と閃いた。
それまではインディ第3作「最後の聖戦」のイメージが強く、ラストは広い洞窟としか
考えていなかった。
宝物も低予算の中で魅せられるものには限りがあるので非常に慎重に検討していたが、
神社の設定が浮かんだ途端「八百比丘尼の伝説と絡めよう」「八百比丘尼とくれば
宝は不老不死になれる人魚の肉でいいのではないか」
「和の要素を強めてみてはどうか。和風の冒険映画は珍しい」などと次々とインスピレーションが
浮かび、その日のうちに粗筋は完成してしまった。
また、忍者服部もこの日に生まれた。

この頃からはロケハンも週2〜3回のペースになり
東京都、神奈川県を走り回っていた。

また、田中ゴメス及び名無しP'zを担当してくれた小島くんの親戚が
神社をいくつか持っていることが発覚。
神社のロケハンは非常にスムーズに進んだ。

(by監督)


2006年7月2日(日) 洞窟探検
冒頭のビリャ族の洞窟ロケハンということで
スタッフ3人で富士の樹海へ行った。
樹海を知り尽くしていらっしゃる赤城さんパーティーによる案内で
迷うこともなく、とても有意義なロケハンとなった。

富士風穴の内部は夏なのに氷点下の寒さで一面凍っており、
しかも下り坂になっているので
最深部辺りでは壁に捕まりながらでないととても戻れない程だった。
しかも荷物に関して事前の打ち合わせがうまくいかず我々は手袋をしていなかったので、
洞窟から出た頃には皮膚は裂けるわ爪は剥がれそうだわでちょっとした冒険気分だった。

洞窟の内部から出口を撮った映像には非常に幻想的な木漏れ日が映ったので
本編にも使用したかったのだが、ロケ地変更のため使えなかったのが非常に残念だ。

また、この頃石川くんに特殊効果を依頼したが、
「蒼き狼〜地果て海尽きるまで〜」の特殊効果を担当する為にモンゴルに旅立ってしまった。
とても残念だったが、
悪天候の連続などでイデ・ジョージの大幅に撮影が延びているうちに
石川くんが帰ってきて参加してくれることをこの頃は知らなかった(笑)

(by監督)


2006年8月5日(土) クランクイン
とうとうイデ・ジョージクランクインの日を迎えた。
スケジュールの都合でとうとう顔あわせの日程があわなかったのが
残念だが、キャスト全員がとても人柄も良く楽しい方々だったと知っていたので
不安はなかった。
むしろ初監督作品としてどこまで映像をイメージ通り再現出来るかの方が
心配であった。

小田急線相模大野駅で待ち合わせ。
鈴木さんが時間を間違え遅刻してしまうアクシデントも発生したが、
待ち時間にスタッフ&キャストの親睦が深められたので
結果的には良かったのではないかと思う。

途中改めて自己紹介を兼ねた食事を経て、神奈川県秦野市のヤビツ峠へ。

最初の撮影はジョージとナツキが出会うシーンからであった。
ジョージ役萩原くん、ナツキ役鈴木さんと演技をチェックしつつ
自らもメガホンをとっていらっしゃるミスターP役緒沢さんに
撮影アドバイスを色々いただいた。

後ろを見るとトトメス役骨川さんがP'zにアクションを指導していた。
空手経験者としては「あっちの方が楽しそうだな〜」等とも思い、ちょっぴり羨ましかった。

頭上から服部が降ってくるシーンの撮影も終わり、初P'z戦。
(ちなみにP'zのネーミングはB'zを捩ってつけたものであり、PEZとは一切関係ない)

私の知らない間に「ピーピー」という鳴き声が生まれていたのが気になったが、
作品のイメージには合っている気がしたので採用した。

3人目を倒す際にジョージが使う洗剤が出なかった、などのNGも出しつつ
撮影は無事終了。

近くの川に向かい服部戦を撮影。

ジョージが転ばされるシーンでは数回NGが出たが、非常に冷たかったそうだ。
ありがとう、萩原くん。

白刃取りに失敗して刃が顔面直撃などお約束のNGも出て、
笑いが絶えない現場であった。

途中で服部役平沼くんがバーベキュー(?)に来た子供達に見つかり

「あーーー!忍者だーー!」

等と指を指されたりもしたが、この日の撮影は無事終了。
ミスターPがナツキを捕らえたシーンも撮影予定だったが、渋滞などもあり
時間的に厳しかった。
出番がなかったのに技術、スタントなど色々アドバイスをくださった
緒沢さんと骨川さんに感謝!

(by監督)


2006年8月6日(日) 決闘シーン
撮影2日目は富士の樹海でトトメス、ミスターPと決闘するシーンを撮影。
まずは先月の洞窟ロケハンで見つけた場所でトトメス戦から。
やはりアクションが得意な役者さんは上手いもので、
骨川さんのの一挙一動には感心させられっぱなしだった。
特に最後ジョージに殴り飛ばされるアクションは素晴らしかった。

続いてミスターPとの決闘。
ここではジョージが銃の反動で後ろに飛ぶところで怪我をしてしまった。
どうやら枝が刺さってしまったようだった。
怪我については帰りに聞いたのだが、痛みに耐えながらも頑張ってくれた
萩原くんには感謝している。

ミスターP役の緒沢さんは完全にミスターPを完全に消化してしまったいた。
脚本の中だけにしか存在しなかった人物に生命を吹き込んでもらえたような気がして
本当に嬉しかった。

その後冒頭で剣を奪われるシーンも撮影したが、こちらは設定が変わった為お蔵入りになってしまった。
しかし日が沈む間際の時間に追われる中、一瞬で殺陣を構成しジョージに手本を見せた緒沢さんの姿は
未だに目に焼きついている。
その時相手役を演じたP'z達は後に語った。

「言われた通り襲い掛かったらマジで同士討ちさせられた!信じられん」と。

(by監督)


2006年8月20日(日) 奥多摩ロケ
この日はメインスタッフ&ジョージの4人で実景素材とジョージが村を進んで行くシーンを撮影。
8月中に8回は撮影するつもりが、悪天候の集中砲火などの問題で下旬になったというのに
まだ3回目…
非常に微妙なペースである。

最初に奥多摩の双竜の滝とやらに行った。
ネット調査などでは非常にかっこいい滝であったのだが、何というか、写真というのは
恐ろしいもので、実際行ったらただの下水であった。
あれにはやられた。

P'z Projectロゴの背景に使われている岩山(シルエットになっていてわかりにくいが)は
日原鍾乳洞の駐車場で撮影した。
前年夏に訪れた時に非常に印象的だったので撮影には是非使いたいと思っていた場所である。
しかしこの周辺は観光客で非常に混雑しており、実は岩山からちょっとカメラを下げれば
車と人だらけ、という状況であった。

この日は雲取山などでも撮影を行いたかったのだが、渋滞とにわか雨もあり断念。
山梨県の小菅村などでの撮影を終えてから奥多摩湖などを撮りながら帰った。
車内ではずっとサブタイトルの話題をしていたが、
サブタイトルは本当に難産であった。
七・五・七・七などの語呂がいいものにしつつ
内容をわかりやすく表現したかった。ちなみに映画完成間近の2007年3月現在でも
いいサブタイトルが浮かんだら変更したいと思っていたりもする。

ちなみにこの日は大量の素材を撮影したのだが、最終編集の段階で60分の全尺に
収まりきらなくなり泣く泣くほとんどカットしてしまった。
そのせいで作品内のジョージの移動時間が極端に短くなってしまったのは
残念である。

(by監督)


2006年8月26日(土) 蛭の恐怖
当初の予定では9月2日に撮影を終えたかったのだが、
この日で4回目。
天候予備日も余裕もって設定していたのに…

この日は秦野で集合。
品川から原付でやってきたトトメス役骨川さんもすごいが、ジョージと顔を会わせるのは
2回目なのに「遅刻してきたから」と駅前のモニュメントの先端をジョージのケツに突き刺そうと
していた服部役平沼くんもなかなかすごいと思った。

初日と同じくヤビツ峠での撮影。
実は、ジョージがヒロヒロと待ち合わせていた小屋は忍者服部と対決した川のすぐ上だったりする(笑)
出番まで時間がある緒沢さん、骨川さん、鈴木さんがシナリオを読んでいたり車内で仮眠をとっていたりする
間にジョージとヒロヒロは撮影開始。

ヒロヒロ役いかりぬすけさんがマッドシティーブランドのサラリーマンTシャツを着てきたので
シナリオを急遽書き換え。
ヒロヒロがミスターPに交渉するのは「へその緒をあげるから助けてくれ」だったのだが、
Tシャツに変更された。

この日は役者が笑いすぎてNGを連発するという明るい現場になった。
よく見ると「この場所で待ち合わせじゃなかったのか」周りのセリフを言っている萩原くんの
顔は実は笑いを堪えて引きつっているのがわかる(笑)

続いてミスターP一行とヒロヒロの出会いも撮影。
素と演技をビシッと切り替えるのが上手な緒沢さんが本番中笑ってNGを出してしまったのは
全撮影中ここの1回だけで、非常にレアであった(笑)

続いてP'z田中が歩き疲れて倒れるシーン、P'zのジングルベル行進→鈴奪還、VSトトメス(1回目)を撮影。
途中メイキングを撮りすぎたとかいうわけのわからない理由で2カメのバッテリーを3個(ラージバッテリー含む)
消費してしまったらしく、充電している間、1カメのみの撮影に。
1カメだけだと音声が内臓マイクになってしまうので手持ちで役者さんに寄って撮影していた。
何故1カメはノーマルバッテリー1つ使っている間に2カメのバッテリーが終了するのか
疑問であったが、後でチェックしてみると現場到着から撮影開始までだけでも数十分以上撮っていたようだ。
本当にメイキング撮りすぎである(笑)

この頃から数人が騒いでいるので何かと思ったら
どうやら蛭(ヤマヒル。体長1センチくらいのマカロニみたいな尺取虫みたいな生き物。血を吸う)
の被害が相当出ていたらしく、出番がない連中は駐車場へ逃げていった。
私は中学の夏休みにこの近くの山を10泊かけてキャンプしたことがあったので
蛭には特に驚かなかったが(だって朝起きると顔に蛭がついてるとか普通だったし。
ヤマヒルなどよりむしろカワヒルの方がやばい。体長が数倍〜数十倍でカラフルで化け物っぽい)
気づいたら伝染。

特に何事にも動じないつばき君が泣き言を言っているのを見ているうちに
だんだん蛭が怖くなってきた(笑)
まあゴキブリと比べれば20万倍くらいマシだけれど。

だんだん暗くなってきたので
ジョージとナツキが待ち伏せ野宿をするシーンを撮影してこの日は終了。
中央林間で解散。

しかし登場する度に導きの鈴の数が減っていくのが面白かった。
糸で繋いでるだけで、非常に脆かったのである。
本編を注意しながら見ていれば鈴の数で撮影順序がわかるかも?

(by監督)


2006年9月2日(土) 朝霧神社
この日は物語のクライマックス、朝霧神社での撮影。
終電の都合などにより、撮影前夜に渋谷で集合。
その後車に分乗し、海老名へ。
スタッフの本田君だけ先走って海老名で待ちぼうけ。
真夜中の神社に独りぼっちはなかなか寂しいものがあったと思う。
携帯では「渋滞しててもうちょい時間がかかる」
とかほざいていたが、
実はその頃残りのスタッフは墓地で軽い肝試ししたりしていたのは内緒である。

そんなこんなで神社に到着。
この日は某重要人物(ネタバレになる為一応詳細は伏せておく)
が登場するのだが、撮影直前に急遽決まったキャストなので
撮影当日となるこの日に初めてシナリオに目を通すことになった。
夜明けまでに役作りの為の説明と、演技の打ち合わせを全て終えなくてはならない。
その為に終電間際に集まったのだ。

徹夜のミスターPや翌日に劇団練習を控えるナツキは車で仮眠。
ついでにジョージも仮眠。
はっきり言って彼は暇さえあればいつも寝ている。

そして練習が始まった。
ジョージの後輩を演じた綾乃ちゃんがジョージを、助監督つばき君がミスターPを演じ、 セリフをあわせる。
月光と微かな照明だけで台本を読みながら稽古している様子は
何だか修学旅行の夜のテンションを思い起こし、楽しかった。

やがて陽が上り、ジョージ達を起こしてきた。
神社の催し物のポスターを丁寧に剥がし、小道具をセット。

何百年もの間人々に忘れ去られていたという幻の神社の完成だ。

アスファルトの手すりが気になるところだが、目をつぶることにした。
コネクションがある神社ではここ以上に雰囲気のいい場所はなかったのだ。
いま流行りの金属泥棒に襲われれば良かったのに、と不謹慎なことも考えてみたりしたが、 とりあえずシナリオ的には某人物が最近この神社に訪れたという話になっているので、 その人がアスファルトの手すりを設置したという隠し設定を用意して 誤魔化すことにした。

そしてリハーサル〜本番の撮影開始。

寝起きでは暗い顔と声になってしまうというジョージ役萩原くん。
しかしそれがいい方向に転び、図らずも神社シーン周辺でのジョージの沈んだ気持ちが 表現されていい感じだ。
この感情に関しては演出で指示するのをすっかり忘れていたのだが、
怪我の功名といったところか。

撮影は順調に進んだが、後半は思わぬアクシデントが…
車のドアの開閉音が近くの駐車場から聞こえてくるのだ。
たまたま当日は何かの行事があったらしく、ロケハン時などからは考えられない程の やかましさであった。
しかも何故か車は来ない。
ドアの開閉音だけ。
音声も同時録音だったので何度も撮影が中断され、
予定の時刻を大幅にずれてしまった。

その後私とジョージ、ナツキ、2カメ&録音の川原くんを除いた全スタッフは死亡。
皆が神社の隅で寝ている近くでナツキとの作戦会議シーンを撮影した。

最後に神社出現シーンの撮影を終え、この日は終了した。

ナツキはこの日でクランクアップ。
お疲れ様でした。

(by監督)


2006年10月29日(日) ミスターP
前日から激しい雨が降り、「こりゃ撮影中止かな」と思っていた。
現に8月は何度も雨で撮影が中止されている。

朝。
霧雨が降っている。
今日も中止で、と思ったが、ミスターP緒沢さんから「俺は晴れ男だ」と聞いたのを 思い出し、「いっちょやってみっか?」という話になった。

試しにロケ決行したら、晴れまくり。

これには参った。
まるで夏の日差しだ。

最初からわかっていれば8月にも撮影中止せずに済んだかもしれないのに…

というわけで、この日はミスターPの初登場シーン。
8月の樹海ロケ日に撮影していたのだが、光量の関係などで
撮り直したかったものだ。

ロケ地は神奈川県愛川町某所。
洞窟から宝剣を持ち帰ったジョージを謎の赤アロハ軍団が襲うシーンからだ。
撮影しながら場所を移動し、ミスターP登場シーンまで終了。

この日は特にトラブルもなくスムーズに撮影出来た。

そしてミスターPはこの日でクランクアップ。
お疲れ様でした!

(by監督)


2006年11月26日(日) 後輩たち
スケジュールがあわずまた間が空いてしまった。
19日にやっとスケジュール確保、と思ったらいつも通り雨。
後輩A役岩崎さん曰く「私が最強の雨女だから」とのこと。
非常に迷惑でござった。

当日は二子玉川で集合。
そこから車2台に分乗してロケ地へ。

到着後、早速撮影開始。
もう寒くなっているのに作中では夏の設定なので役者さんは寒そうだった。
後輩B役寺尾さんはトイレで着替えようとした瞬間「制服忘れたっす」。

最強雨女と衣装忘れ。
熱い友人を持って幸せだ。

この日は帰宅途中のジョージをバイトの後輩達が見つけるシーン。

はっきり言って寒い。
この寒さで半袖は本気で異常だ。

だが我々裏方は関係ないので思い切り着込んで撮影を続けた。

前回撮影時のシナリオでジョージが手に入れたうまい棒はここが使いどころだ。
リテイクの度に消耗されていき、
結局9本全部使われてしまったようだ。

その後ファミレスで軽い打ち上げをしてから解散。
この日ほどヌルい撮影は他になかった(笑)

(by監督)


2007年2月3日(土) ルーカス博士
前回とは相当間が空いてしまったが久々の撮影。
スケジュール調整中は編集したり予告編を制作したりしながら モチベーションを上げていた。

そしてこの日の撮影はキャスト変更問題がありなかなか難航していた
ルーカス=ピルバーグ博士がいよいよ登場。

…しかし何というか…
この一日でイデ・ジョージの作品の方向性が変わったと思う。

正直濃すぎた。

この映画は個性的な変態キャラが次々と出てくるわけだが、
主役級全員がポっと出のルーカスに食われてしまう恐れすら出てきた。

イデ・ジョージはここまでの時点で
実景、ロケハン、別アングル含め60分テープと80本テープで 合計11本(12時間くらい?)撮影してきたわけだが、
監督である私が爆笑しすぎてNG連呼、しまいには1カメを人に任せ一時退席、
というとんでもない事態に陥ったのはこの日だけだった。

バッテリーの問題、太陽の問題、技術的問題などで大抵のカットは 3〜4テイクで撮ってしまうのだが(大雑把な性格が最大要因かもしれないが)、
このシーンだけは常に誰かが噴き出してしまい合計7テイクリテイク、という 最高記録を更新した。
この日は役者のスケジュールの問題で21時までに解散、なおかつ当日で撮り切らなければならない、 というシビアな時間制限の中で撮っていたというのに…

筋肉痛になったらどうすんだこの野郎!
爆笑が絶えない壮絶な現場となった。


…正直本作を汚された、と思った(笑)

いや、いい方向に、なんだけど。

うん、最高に作品を汚されたね。
面白くはなったんだけど。

知的レベルは確実に下がったが
恥的レベルは確実に上がった。

他のキャストの皆様に申し訳なくなるくらい。

「前半がクライマックス並に盛り上がりそうなんですが、 許していただけませんか?」

って。

いや、ひどい。

全くひどいものだ。

だが面白すぎたのとやりすぎたので編集の段階で該当するシーンはカット。
映画祭のレギュレーションである60分の時間制限的にも シビアだったし。

いつか皆さんに見せられる機会があれば、とは思っている。
でもあまり見せたくないような気もする今日この頃である。

(by監督)

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